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脂肪のことを正しく知ることが効果的なダイエットの近道|メディカルアーカイブ

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内臓脂肪を予防!
太りにくい体をつくる運動とは

 ダイエットは我慢と忍耐を伴うため、可能であれば太らないことが理想です。世の中には太りやすい人と太りにくい人がいますが、普段からの心掛け次第で太りにくい体をつくることも不可能ではありません。そのしくみをぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイメージ <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属 薬剤師 松田俊浩※
 がむしゃらなダイエットは長続きするものではなく、そもそも脂肪がどのようなものかを知ることがダイエットの近道と言えます。脂肪とダイエットの関係について、わかりやすく解説していきます。

目次


運動には有酸素運動と無酸素運動がある

 ダイエットのために食事量を減らし摂取エネルギーを少なくする事は大切ですが、それだけでは筋肉量も減少して基礎代謝が低下し、太りやすい体質になってしまう恐れがあります。このようなことを防ぐためには摂取エネルギーを控えるだけでなく、運動を取り入れて筋肉量を減らさないようにすることが大切です。

 ただし、運動であればなんでもよいというわけではなく、運動方法を間違えてしまうとトレーニング効果は期待できません。

 運動を大きく分類すると有酸素運動と無酸素運動の2つがあります。有酸素運動は息を吸ったり吐いたりしながら行う運動で、ウォーキング、ジョギング、水泳などがあります。この運動は酸素を体内に取り込む事で脂肪を燃焼させることができます。

 一方、無酸素運動は息を止めた状態でごく短時間に行う運動で、短距離走や腕立て伏せ、腹筋運動、バーベル上げなどがあります。これらの運動は筋肉に負荷をかける事で筋肉量を増やす事ができますが、効果的に脂肪を燃焼することはできません。


体脂肪を燃焼させるのは有酸素運動

 ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、呼吸によって取り入れた酸素を体内に送り込む事で脂肪を燃焼させることができます。では、どのように有酸素運動を行えば効率よく体脂肪が燃焼するのでしょうか。

 脂肪を燃焼させるためにはしっかりと酸素を体内に取り込み、時間をかけて運動を持続する必要があります。そのため、息が切れるような激しい運動では意味がありません。体に無理のないペースで続けられる運動が基本です。

 有酸素運動を開始すると、私たちの体の中では開始後5〜10分は筋肉の中に蓄えられているグリコーゲンと呼ばれるエネルギー源を使用します。10分が経過した頃からは血液中にある遊離脂肪酸がエネルギー源として使われ、その頃から少しずつ体脂肪が使われ始めます。

 この事からわかるように、脂肪が燃焼するためには15〜20分間運動を続ける必要があるのです。つまり、気が向いた時にちょっと行う運動では脂肪が燃焼することはなく、無理なく続けられる運動を持続して20分くらいは行わなければなりません。

 ここで大切になるのが、「無理なく楽しく続けられる」運動を見つけることです。有酸素運動の代表的なものとして、ウォーキング、ジョギング、エアロビクス、水泳などがあります。張り切りすぎて無理をすると続かなくなってしまうので、自分の運動能力に合った運動を見つけることが大切です。

 誰もが気軽に行える運動としてウォーキングやジョギングがありますが、以下のように歩行の速さで消費カロリーも体への負担も大きく異なります。無理のないレベルから始めて、自分の体にあったペースを見つけてみましょう。

太りにくい体をつくるためには

 太りにくい体をつくるためには、筋肉量を増やしてエネルギー消費を高める必要があります。ではどのように筋肉を鍛えたらよいのでしょうか。

 筋肉はその収縮の違いから大きく2つに分類され、遅筋と速筋があります。遅筋は収縮速度が遅いが持久力のある筋肉で、速筋は収縮力が早く強い力を発揮するが持久力のない筋肉です。

 このように筋肉にはそれぞれ特徴があり、筋肉の中にある遅筋と速筋の割合には個人差があります。この筋肉の割合によって、短距離走が得意な人や長距離走が得意な人がいるのです。

 脂肪燃焼に有効な運動というと有酸素運動ですが、この有酸素運動に使う筋肉はもちろん持久力のある遅筋です。遅筋は細胞の中にたくさんのミトコンドリアを持っており、脂肪を燃焼させながら長時間運動する事ができます。

 さらに、遅筋には赤血球から受け取った酸素を蓄えておけるミオグロビンを多く持っており、脂肪燃焼時の酸素供給能力が高いといえます。したがって、運動によってこの遅筋を鍛えることはエネルギー消費量を高めることになり、太りにくい体をつくることになります。


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