世の中には太りやすい人と太りにくい人がいますが、これは摂取したエネルギーを蓄える能力の違いによるものです。太りやすい人はもちろん蓄える能力が優れており、高い確率で親から子へ遺伝します。だからといって、太りやすいのが遺伝だからと諦めることはありません。
太りやすいか太りにくいかの体質にはさまざまな要因が関わっていますが、その1つに遺伝があります。
肥満体質が遺伝するメカニズムはまだすべてが解明されたわけではありませんが、両親ともに太っている場合は80%の確率で、母親だけが太っている場合は60%の確率で、父親だけが太っている場合は40%の確率で子供が肥満するという統計があります。
肥満が必ず遺伝するというわけではありませんが、遺伝が肥満に関わっている可能性が高いといえます。
遺伝による肥満の原因として考えられているのが、「アドレナリン受容体遺伝子」の異常です。アドレナリンが分泌されると、脂肪細胞にある受容体に取り込まれて脂肪が分解されるのですが、アドレナリン受容体遺伝子に異常があるとアドレナリンが受容体に取り込まれないため、脂肪を分解する事ができなくなります。
このため、遺伝子に異常がある人は通常の人に比べて肥満しやすい体質になってしまうのです。
変異した遺伝子の型は3つに分類され、最も太りやすい「AA型」、比較的太りやすい「AT型」、太りにくい「TT型」があります。日本人の2/3は太りにくいTT型ですが、残りの1/3はAA型もしくはAT型の肥満しやすいタイプとされています。
しかし、自分が遺伝子異常で太りやすい体質といっても必ず肥満になるわけではありません。最も太りやすいAA型と太りにくいTT型の太りやすさを比較すると、カロリーにして220キロカロリー程度しか違いがありません。
ごはんでいえばお茶碗1杯程度、この程度のエネルギー量であれば1日の食事内容を見直す事で調節する事が可能です。
肥満の多くの原因は遺伝によるものよりも、過食や運動不足といった生活習慣に起因するといえます。太りやすい体質だからと諦めず、生活習慣の改善をすることが大切です。
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