地球上では飽食と飢餓の両方が存在しており、食糧支援が必要な国がある一方で、食べ過ぎによる肥満人口も増加しており、日本も例外ではありません。まずは、自分が肥満かどうかの認識を持つことが大切です。
世界の貧しい国々では未だ飢餓問題が深刻で、食糧支援や経済発展などによって少しずつ飢餓人口は減少しているものの、それでも2000年の調査では全世界で11億人が飢餓に苦しんでいるとされています。
その一方で、飽食の時代を迎えている先進諸国を中心として肥満人口が増加の一途をたどっており、2000年の調査では飢餓人口と同じく肥満人口も11億人に達しています。なかでも肥満が深刻なのがアメリカで、成人の6割、人口にして1億人以上が肥満もしくは肥満傾向にあります。
日本の肥満問題も他人事ではありません。日本の食生活は元々魚や野菜が中心でしたが、経済発展と共に食生活も欧米化し、肉中心の食生活に変わってきました。それによって日本の肥満人口も増加しており、1998年の国民栄養調査によると日本の肥満人口は男性で1300万人、女性で1000万人にも達していると推計されています。
この調査はBMIが25以上を対象としており、男性はいずれの年代でも肥満人口の割合が増加しています。特に30歳以上70歳未満の男性ではBMI25以上の肥満者が30%に達しており、肥満による健康問題が深刻化しています。
肥満が進行すると高血圧や高脂血症、糖尿病など、肥満に伴った合併症のリスクが増加するため注意が必要になります。特に最近では内臓脂肪型肥満によって起こるメタボリックシンドロームが問題になっています。
メタボリックシンドロームの状態になると、狭心症や心筋梗塞といった心臓病のリスクが健常者に比べて飛躍的に高くなるため、日頃から内臓脂肪をためないような注意が必要です。内臓脂肪型肥満の診断基準は、ウエスト周囲径が男性で85cm以上、女性で90cm以上となっています。
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