本文へスキップ

中性脂肪、内臓脂肪、皮下脂肪、肥満、メタボを正しく理解してからダイエットを始めましょう!

<当サイトは医療従事者が監修・運営しています>

> メタボが引き起こす病気(狭心症・心筋梗塞)

メタボが引き起こす病気

目次


メタボは心臓病の危険因子ばかり


 メタボリックシンドロームが引き起こす病気の中で、最も重篤なものの1つに狭心症や心筋梗塞があります。メタボリックシンドロームになると内臓脂肪からの善玉サイトカインの分泌が減り、代わりに悪玉サイトカインの分泌が増えるために動脈硬化が起こりやすくなるためです。

 さらに高血圧や高血糖などの悪循環によって動脈硬化は加速度的に進行します。狭心症や心筋梗塞は心筋に血液を送る冠動脈の動脈硬化によって起こる病気であり、発症すると心臓や脳に重篤な障害を与え、生命にかかわる事も少なくありません。

 メタボリックシンドロームの危険因子には、内臓脂肪型肥満のほかに高血圧、高脂血症、糖尿病があり、狭心症や心筋梗塞の発症リスクはメタボリックシンドロームの危険因子を持たない人に比べて、1つ持っている人は約5倍、2つ持っている人は約10倍、3〜4つ持っている人は30倍以上にもなるという調査結果が出ています。

 狭心症とは、心筋に酸素と栄養素を運ぶ冠動脈の内側が部分的に細くなり、心筋への血流が悪くなるために一時的な胸の痛み(狭心症発作)を感じるために起こります。この発作は前触れなく突然に起こり、数十秒から数分間続きます。

 狭心症が起こる場所や程度によって、痛みの強さや持続時間は異なります。多くの場合、発作による胸の痛みは一点の狭い範囲ではなく手のひらをあてるほどの範囲に起こり、圧迫感や締め付けられるような感じを胸の奥に感じます。狭心症は冠動脈の狭窄状況や発作の程度、頻度によって細かく分類されています。

 一方、心筋梗塞は冠動脈の内部が極端に狭くなって血流が悪くなり、そこで血液が固まって血栓ができたり、他の場所でできた血栓がそこに詰まって血流が完全に途絶えるために起こります。このような状態になると冠動脈の詰まった先の心筋には血液が流れないため、酸素欠乏や栄養不足になった心筋細胞が次々と壊死していきます。

 心筋梗塞が起こると、冠動脈の血流が途絶えた瞬間から激しい胸痛発作に襲われ、心筋の壊死は始まっていきます。冠動脈がふさがってしまっているため、狭心症と違って安静にしても症状は改善せず、むしろ悪化していきます。心筋の壊死範囲が広いほど心臓のポンプ機能は急速に低下し、血圧低下によるショック状態や突然死に至る事もあります。

 心筋梗塞は約3割の人が最初の発作で命を失うといわれており、初期対応が生死を分けるのは言うまでもありません。安静にしても改善しない強い胸痛が30分以上続く場合は心筋梗塞の可能性があるため、一刻も早く病院で治療を受ける必要があります。


脳卒中は動脈硬化が最大の原因


 メタボリックシンドロームが引き起こす病気の中で、最も重篤なものの1つに脳梗塞や脳出血があります。メタボリックシンドロームになると内臓脂肪からの善玉サイトカインの分泌が減り、代わりに悪玉サイトカインの分泌が増えるために動脈硬化が起こりやすくなります。さらに高血圧や高血糖などの悪循環によって動脈硬化は加速度的に進行します。

 脳動脈が動脈硬化によって詰まったり破れたりすると、脳細胞に血液が行き渡らなくなるために脳細胞が壊死してしまいます。脳細胞の壊死が起こった部位や程度によって様々な障害が起こり、言語障害や手足のマヒ、意識障害、場合によっては死に至ることもあります。このような症状を総称して脳卒中と呼んでおり、脳血管が詰まった場合を脳梗塞、脳血管が破れて出血した場合を頭蓋内出血といいます。

 脳梗塞は脳動脈の内部が詰まってしまい、そこから先の脳細胞に血液が届かなくなる病気です。脳梗塞は脳血管の動脈硬化が進んで血管内部が狭くなり、そこに血栓(血液のかたまり)ができて血管を塞いでしまうものと、心臓付近にできた血栓がはがれて脳動脈の狭くなった部分を詰まらせるものがあります。

 頭蓋内出血は脳で起こる脳出血と、脳を覆っている膜のひとつ「くも膜」の下部で出血するくも膜下出血に分けられます。脳出血の原因のほとんどは動脈硬化によって脳動脈がもろくなり、そこに高い血圧がかかることによって起こります。脳梗塞も脳出血も元をたどれば脳動脈の動脈硬化が原因で起こるものであり、動脈硬化を進行させるメタボリックシンドロームがこれら疾患の発症に大きく関わっているといえます。


メタボが招く病気の主原因は動脈硬化


 メタボリックシンドロームが深く関わっている疾患の多くが動脈硬化によるものです。代表的なものに狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患や、脳出血や脳梗塞などの脳卒中などがありますが、これら以外にも注意すべき疾患として大動脈疾患と閉塞性動脈硬化症があります。

 大動脈疾患とは心臓から全身に血液を送り出している全身の中で最も太い動脈に起こる疾患で、大動脈瘤や大動脈解離などがあります。大動脈瘤は大動脈の動脈硬化が進んで血管壁がもろくなり、血流の圧力に負けてコブのように膨らんだ状態をいいます。

 初期のうちは無症状なのですが、このまま放っておくとコブが徐々に大きくなって血管壁が薄くなり、耐え切れなくなると破裂して大出血を起こし、死に至ることもあります。

 大動脈解離は大動脈の血管壁に亀裂が生じ、血液が血管壁の内部に流れ込む病気で、急性の場合は急激な激しい痛みに襲われ、ショック状態になる事もあります。

 閉塞性動脈硬化症とは主に太ももやふくらはぎなど下肢の動脈で動脈硬化が起こり、それによって血液の流れが悪くなる病気です。この病気は50〜70歳代の喫煙男性に多くみられ、女性患者は全体の10%以下とされています。

 この病気は命に関わるような病気ではありませんが、閉塞性動脈硬化症を起こす人は他の動脈も動脈硬化を起こしている可能性が高く、それだけ狭心症や心筋梗塞、脳卒中を起こすリスクが高いといえます。


関連記事
メタボリックシンドロームとは
メタボリックシンドロームの診断基準
内臓脂肪がつく理由って一体何?
内臓脂肪が引き起こす病気とは
とても大切!中性脂肪とコレステロールの役割
どうして脂肪は体に蓄積するの?
太っているか痩せているか診断しよう
ダイエットは1ヵ月2kg減を目標に
内臓脂肪を予防!太らない体をつくるには
女性の適正体重と肥満度
男性の適正体重と肥満度